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C'z Kit TW-172D
FM Stereo Transmitter Kit
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あ、これもいいなあ

    車載用ベビーモニタ兼ハンドヘルドトランシーバ音声強化用としてFMワイヤレスマイクキットを作ろうと思い、 秋葉原でワンダーキットFW-208Aを買い求めました。 その直後、別のステレオFMトランスミッタキットを見たところ、こちらは電源電圧3Vで動作。 マイクロホンは付属していないけれど、これも便利かもと思い、買い足してしまいました。
    完成したFW-208Aは要求を十分に満足し、当初の予定通り車載することにしました。 ので、ステレオ送信機であるエスケイ電子 シーズキットTW-172Dは、 調子がいいならラボ内のプライベートFM放送局として使用することにします。 さあて、どんな具合かな。
Testing TW-172D

TW-172D


Before assemble     エスケイ電子 シーズ キット TW-172Dは、定番のステレオモジュレータICである新日本無線のNJM2035Dを使用したFMステレオ送信機キットです。 良質なマニュアルとプリント基板、すべての部品のセット。 電池ボックスやケースはなく、ビルダーが思い思いのものを用意します。 販売価格は2500円でした。

    オンボードで実装されたステレオミニジャックからの信号はやまりオンボードのボリュームコントロールでレベル調整されたあとプリエンファシスされ、 ステレオ モジュレータIC NJM2035Dに入ります。 副搬送波は38kHzの水晶発振。 主搬送波は2SC1923で発振されます。 発振周波数はこのトランジスタのコレクタに入ったLC同調回路の発振コイルを調整することにより決定します。 発振トランジスタのベースには、モジュレータから取り出されたステレオ コンポジット信号が入り、搬送波を周波数変調します。
    発振コイルの2次側から取り出されたFM信号は、ついで2SK192A FETで増幅され、リード線アンテナに送られます。

    プリント基板は専用の黒色片面基板で、半田面はレジストつき。 シルク印刷もクリアです。 半田付け作業性は良好で、気分よく組み立てを楽しめました。 基板の4隅には取り付け用の穴が開いていますが、ここに使うためのビス、ナットおよびスペーサが付属しており、大変好感が持てました。

    乾電池2本の電池ボックスを接続し電池を入れると、キットはすぐに動作を開始しました。 音質・安定性とも良好で、素性はたいへんよさそうです。


テストラン

Testing TW-172D     発振コイルを調整してみると、キャリア周波数はあまり高くならないことが判りました。 調整可能な上限は87MHz程度です。 マニュアルには送信周波数範囲は76MHz〜86MHzまでと記載されていますから、設計値通りの結果です。 が、私は米国仕様の真空管FMラジオやノベルティポケットラジオも使いたいので、88MHz以上にセットできないと困ります。

    搬送波周波数は、発振コイルと、それに並列に入った22pFのキャパシタで決定されます。 そこでこの22pFを小さくしてみることにしました。 まず10pFを使用してみると、これは小さすぎ。 つぎに18pFを試してみると、具合よく88〜90MHz台への調整が可能となりました。 キャパシタを小さくすると変調入力はより小さくて済むようで、音声レベルの再調整が必要でした。 ラボはいつもひどくとっ散らかっているので、小さな容量のキャパシタの在庫がすぐに見つからず、この18pFは100円FMラジオから取り出して使いました。
     翌日、ラボのあちこちから15pFのセラミックキャパシタが見つかりました。 やはり普段の整理整頓は重要だなあ。 で、見つかった15pFをバッファアンプ出力同調回路の22pFの代わりに取り付けました。

    電源は自転車ヘッドランプ用として使用し消耗した後の単2アルカリ電池2本ですでに10日間以上連続動作しており、かなり経済的。 NJM2035D自体は電源電圧わずか1Vから動作します。 電源電圧が1.8Vまで落ちたらさすがに送信出力は弱まってきましたが、それでも当初からの周波数変動は100kHz程度。 1.6Vでは隣の部屋でも電界強度不足になってきましたが、周波数はほぼ動かず、音質に変化はありません。

実用化への課題

    本機には電源電圧安定化回路は全くありません。 搬送周波数発振段の電源電圧は供給電圧そのまま。 このことを考えると発振周波数はけっこう安定だと思います。 他の機器で使えなくなった電池を入れ替えつつ数ヶ月動作させてみたところでは、 搬送波周波数が0.2MHzほど上がってしまいました。 おそらく季節による室温の変化の影響だと思います。 NJM2035Dは電源電圧の上限が3Vとちょっと程度ですから、過大電圧からICを保護する目的でも定電圧回路を入れるのがよさそう。 消費電力は悪化するでしょうが、今回の目的からは良しとします。

    音質は良好ですが、音楽用としてみた場合にはバックグラウンド ノイズが無視できないレベルです。 ポケット ラジオのスピーカで小さな音で聴く限りはまったく気になりませんが、 ヘッドフォンを使ってきちんと聴くと、ピューッといったノイズが常時出ていることに気がつきます。 受信側のFMチューナをモノラル動作にするとノイズは消えますから、これはステレオ変調に起因するものだろうと思われます。

19kHzバンドパスフィルタ

    本機のMPX信号とパイロット信号を混合させる回路は、新日本無線NJM2035Dのデータシートの「シンプルな回路例」そのままです。 簡単な構成でそれなりの性能を出すことができる、と書かれていますが、 8ピンから出ているパイロット信号は方形波なので、 この信号を9ピンからのマルチプレクス信号に加える前に19kHzのバンドパスフィルタを通せば性能改善が期待できます。

    鈴木 憲次氏著 「ラジオ&ワイヤレス回路の設計製作」 (1999年 CQ出版社 ISBN 4-7898-3279-1) の記述を参考にして、19kHzバンドパス フィルタを追加することにします。 必要な部品は39kΩ抵抗が2本、3300pFのキャパシタ、そして20mHの可変インダクタです。 新日本無線のマニュアルではインダクタと並列につなぐキャパシタは4700pFになっています。 19kHzにチューニングできればいずれでも可のはずです。

    思い立って数ヶ月、ようやく秋葉原にに立ち寄る機会ができ、インダクタを購入しました。 が、その後またまた本業に忙殺されて時間がなく、いざ時間が取れたら買ってきた部品は行方不明。 まずはラボの掃除からやり直しです。

つづく・・・


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May. 31, 2003 Purchased at Akihabara.
Oct. 12, 2003 Kits assembled.
Feb. 08, 2004 Page created.
Jan. 02, 2005 Added 19kHz filter plan. Puublished.
May. 05, 2006 Updated.