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Maxitronix
"500 in One" Electronic Lab
Educational Electronics Projects Kit
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学研マイキット150
や
電子ブロックEX-150
は結局のところ復刻版で、
1970年代中盤以降に普及したロジックICやオペアンプによる回路や実験は楽しめません。
そのため私のテクノロジも2石レフレックスから進歩していなかったのです。
これではさすがにまずいなあと考えていて、実に楽しそうなキットが目にとまりました。
その後ずいぶん長い間買うべきか迷っていたのですが、今回とうとう思い切って購入してしまいました。
500回路もできる、デジタルICとマイクロコンピュータも搭載したトレーニング・キット、
Maxitronix社 500 in One Electronic Lab
です。 このキットはRamsey社を含むいくつかの相手先ブランドで販売されており、 米国での販売価格は170ドル前後。 しかしパッケージがずいぶん重そうなので、航空便で買うとしたら結構な運賃がかかるでしょう。 カタリスト社から発売されている日本語マニュアルつきのものは価格はかなり高くなりますが、 航空運賃を考えたらさほどの価格差でもなさそう。 そこで日本語版を買いました。 届いたパッケージは確かに大きく、迫力があります。 本体はご覧のようにラップトップ・コンピュータのように開くシェルケースになっており、 その重量感もなかなか。 しかし開けてみると、上下のパネルに取り付けられたコンポーネントとスプリングターミナルはずいぶん間隔があり、 パネルはどことなく間延びした感があります。 この凝縮感の無さは70年代のアメ車を見ているよう。 ベージュ色のケースのデザインはどことなく1980年代。 なお私はこの製品の開発企画がどこの国で行われたかの確証を持っていませんが、 トランジスタが2SC品番であることを考えると、アメリカではなさそうです。 本稿では以降、本機をEL500と呼ぶことにします。 |
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デジタルICとマイクロコンピュータが主体のキットですが、
ラジオ小僧としてはどうしてもどんなラジオができるかを真っ先に調べたくなってしまいます。 マニュアルはハードウェア編が基礎と応用の2冊、ソフトウェア編が一冊。 プロジェクトの掲載順序は、電子工学の項目をひとつずつ取り上げながらスパイラルアップしていくもののため、 「ラジオ回路」でまとまっているわけではありません。 「ラジオ回路」は応用編にも出てきますが、トランスミッタだけで、受信機はなし。 結局、示されている500回路のうちラジオ受信機はわずかに以下のものだけです。
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トランスミッタ回路はどのようなものがあるでしょうか?
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オペアンプの基本、反転増幅回路を試してみます。
EL500のマニュアルには、こういったごく基本的な回路はずばりのものが少なく、
多少の周辺回路が入った応用回路になっています。
たしかに反転増幅器だけ作っても入力も出力もなければ試せませんから、
当然とはいえます。 オペアンプ反転増幅回路は で紹介されています。 このプロジェクトでは正弦波発振回路で生成した低周波信号をオペアンプで増幅し、 オーディオ出力トランスを介してスピーカを駆動します。 今回は外部からのオーディオ信号を使うことにして、 右図のように簡略化します。 LM324は単電源オペアンプで、9Vで動作させています。 オーディオ信号出力を0Vと9Vの間でスイングさせたいので、 4.5Vのバッテリー端子から電圧を取り出し、非反転入力に入れることにより、 出力オフセットを4.5Vとしてそこを中心に上下にスイングするようにしています。 |
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試してみると、パワーが出ない・・・音が大きくはない、のは仕方がないとして、
音が今ひとつ良くありません。 出力トランスの1次側(=オペアンプの出力端子)の電圧を観測してみると、 ご覧のように大きなクロスオーバ歪が出てしまっています。 (注1: このクロスオーバ歪は、 オペアンプ出力を1kΩ程度でグラウンドに落としてオペアンプ内部の出力段を常時電流吐き出し動作にしておけば軽減できます。 LM324の出力は20mAくらいまで流せそうなので470Ω程度でも無理はないと思いますが、試していません。) |
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上記のオペアンプ式オーディオアンプをベースにして、ステレオ ヘッドフォン アンプをつくってみます。
EL500にはオーディオ出力トランスが1つしかないため、ステレオにできません。
そこでトランジスタでオペアンプの出力電流をブーストし、直接ヘッドフォンを駆動する方式にします。 トランジスタによる電流ブースト回路はいくつか考えられます。 EL500にはコンプリメンタリなNPN型トランジスタとPNP型トランジスタが付属しているので プッシュプル型電流ブースタも可能ですが、 ヘッドフォンを駆動するのならそう大きな電流は必要ではないので、 シングルエンド型電流ブースタにします。 これは要するにトランジスタ1石によるエミッタフォロワで、 無音時もアイドル電流を消費するため低消費電力を最優先するポータブル機器には向きませんが、 部品点数が少なくてシンプルなのは魅力です。 いろいろトライして、右図の回路が簡単で、かついい成績を出せました。 オペアンプの帰還抵抗R2は10kΩ(ゲイン10倍)から100kΩ(ゲイン100倍)程度で適宜選べます。 右図の回路を2組配線して(オペアンプ動作基準電圧のための1/2VccをつくるR4とR5は共通にできます)ステレオ オーディオ信号を入れてみると、 パワーは必要以上、音質はなかなか良好で、十分実用になります。 周波数特性は高域は可聴周波数帯域をはるかに超えてフラット、 下は100Hz程度からすこしゲインが下がり始めますが、 30Hz程度までは出ており、再生機器側でわずかにバスブーストしてあげれば問題はありません。 この回路が完成後、お気に入りのアルバムを2枚ほど、久しぶりに大音量で聴きました。 この回路では出力電流の吐き出しと吸い込みとで動作が必ずしも同一にならないために音質が劣化しているはずだし、 あるいはNFBを追加する等すればもう少し音質をよくできるかもしれませんが、 貧しいオーディオ機器に慣れてしまっている私の耳にはこのままでも十分満足です。 テストに使ったヘッドフォン パイオニア SE-550D はインピーダンスが比較的高いので駆動力の小さいアンプでもよく鳴る、 というのはあるかもしれません。 公称インピーダンスがもっと低いヘッドフォンでは無理がバレてしまうかも。 |
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どこか別のページでも書きましたが私はいまだにカセットテープに愛着があり、
しばしば古いテープを聴きます。
そこでカセットデッキが市場から完全に消え去る前に、一台 新品のデッキ、
TEAC W-790R
を購入しました。
高級コンポーネントステレオのスタイルをしているものの、このデッキは低価格オーディオの範疇に入るもので、
ドルビーC付きとはいえ機能はごく質素です。
さっそくヘッドフォンを挿し込んで聴いてみたら・・・なんとヘッドフォンボリューム調整がついていない!!!
これにはびっくりしました。
そこでこのデッキを楽しむために、専用のヘッドフォンアンプをつくろうと思ったのです。 笑われそうですが私はたいていの場合、低音をかなりブーストしてドンシャリにしてしまうのが好みなので、 このヘッドフォンアンプには古典的なバス・トレブル独立型のトーン コントロールが欲しいところです。 ウェブを探してみると、テキサス・インスツルメンツのアプリケーション レポート SLOA042 にちょうど使えそうな回路があり、 これを試してみることにします。 これはバクサンドール型のネガティブ フィードバック トーン コントロール回路で、 その原型は真空管の時代までさかのぼります。 EL500の部品で構成でき、また実験を簡略化するために、 オリジナルのアプリケーション レポートの回路に対して以下の変更を入れてあります。 構想はできましたが、まだこの回路は試してみません。 さあ、どんなかな? |
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LM324オペアンプをコンパレータとして使い、
オーディオ用のLEDバーグラフ レベルメータをつくってみます。
このアイデアは から拝借したもの。 LM324は4個入りオペアンプなので、バーグラフ レベルメータをつくろうとすると4点式にしかなりません。 LM324が2つあれば8点式まで作れるのに。 で、1つのコンパレータで2つのLEDを点灯させるニセ8点式にしてみたら、 案外簡単にダマされてしまって、うん、 こりゃいい感じだ。 EL500ではLM324は大活躍しますが、1つしか付属していません。 破損させてしまう危険性もあることだし2つあってもいいのになあ、と思います。 4点の点灯レベルは聴感と数値の切りのよさで適当に決めました。 正確なデシベル表示が欲しければ分圧抵抗を計算しなおす必要があるし、 実用にするためにはせめて基準電圧電源くらいはツェナーダイオード等で安定化させてやる必要があるでしょう。 小さいけれどムービーは こちら (3GPフォーマット 20sec 331KB)。 このプロジェクトなら普段親しみのある装置---音楽にあわせて光が動く---を実現できるので、 エレクトロニクス入門者には格好の教材だ、と思ったのですが・・・ 最近の若い世代はLEDバーグラフメータすら見たことがない!!!! という衝撃の事実に気がついて愕然としました。 確かに、今のオーディオ機器は録音するためにレベル調整を行う必要などないし、 場合によってはパーソナル・コンピュータとシリコン・プレイヤーしか所持しておらずRCAピンプラグを使ったことがない人もいるかも知れません。 技術が進歩するのはいいことだけれど・・・それでいいのか日本!? |
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マイキットや電子ブロックではできなかったロジックICをつかってデジタル回路の基礎を学ぶことにします。
とはいってもさすがにNANDゲートやNORゲートを使ったワイヤード・ロジックの組み方の基礎というのは卒業していますので、
ここは本当のロジックIC初心者のためのトレーニング教材を作ってみます。 これは少人数の講習会向けを狙ったもので、講師側のEL500では4本のON/OFF信号を組み合わせて16通りのパターンを送出し、 受講者側では16種類のうち自分に指定された組み合わせの場合にのみランプを点けてブザーを鳴らす、という趣向です。 右図がその回路。 上側が講師用の送信機、 下側は受講者用の受信機です。 講師側送信機は、クロック発生回路とカウンタICからなっています。 クロック発生回路はロジック インバータを使った無安定マルチバイブレータで、 キャパシタを切り替えることにより約2Hzと約20Hzを切り替えられるようにしてあります。 クロック発生回路にはHC04を使っていますが、これはEL500の標準部品ではなくて追加したもの。 受信機のトーン発生にHC00を使っており、さらにデコード回路にもうひとつHC00を使いたいからです。 カウンタにはHC191を使っており、ゲート端子にスイッチを入れて、カウンタのランとストップを切り替えられるようにしています。 複数の受講者側受信機を並列駆動できるよう、出力にはトランジスタを入れてあります。 電圧レベル的にはいい加減なものですが、4〜5台をドライブするならこれでいいでしょう。 受信機側は、与えられた組み合わせのときだけ論理Hを出すよう受講者がデコーダ回路を組みます。 デコーダ出力がハイレベルのとき、それにつづくオーディオトーン発生回路がブザー音を出します。 これは送信側と同じロジック インバータ使用の無安定マルチバイブレータで、出力でトランジスタを駆動し、 出力トランスを介してスピーカを駆動します。 ブザー音は結構大きくなってしまうので、トランジスタのエミッタに抵抗を入れて静かな部屋でもうるさすぎない程度に音量を絞りました。 |
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今回はテスト用に1台のEL500に講師用回路と受講者用回路を組み立てました。
回路図中にもあるように、ここでは4本の信号線(D0〜D3)がすべてハイレベルのときだけLEDとブザーがONするロジックを入れてあります。
動作のムービーは
こちら
。
一番右がクロック、4つ信号線のランプがあり、右から6つめがデコーダ判定LED。
ムービーではランプ点滅が規則正しくないですがこれは低品質ビデオ圧縮のせい。
クロックがFASTのときは、クロックLEDと信号線LEDの点滅は人の目ではほぼ見分けられません。 論理表を書きながら0000から1111までの組み合わせのそれぞれに対応するデコーダを作ってみよう、 というのは初心者にはいい課題です。 EL500に付属しているのはNANDとNORだけですから、なおさらチャレンジ。 ONがひとつもない、ひとつだけ、ふたつだけ、みっつのとき、全部ONのとき、 の4通りを考えておけば、後は入力信号の配線を入れ替えるだけでできる・・・と思いつけるかな? さて実際に4人の受講者を集めてデコーダを組ませてみたところ、問題発生。 受講者は本当の入門者ばかりなので、ある程度経験を積んだ人間には思いもよらない誤配線をします。 入力ピンと出力ピンを直結したり、ICのグラウンド線をつなぎ忘れていたり、 さらにはHC00のつもりがLM324を使っていたり・・・。 さらには、これは講師のミスでしたが、NORゲートICのピン配置はNANDゲートとは異なることを忠告していませんでした。 結果として講師側送信機は誤配線だらけの受講者回路を4台ぶら下げられ、送信機から供給する信号に受信機側からの信号が逆流し、 点灯パターンが乱れたり、「うっすらとLEDが点く」状態になってしまったり。 しかも誰がミスしているのかわからない! 受講者がお互いに足を引っ張り合っているようなものです。 最終的には全員どうにかデコードできるようになったものの、演習時間は予定を大幅にオーバー。 次回は対策を打ちましょう。 受講者同士が干渉しないよう、送信機側にバッファを入れるべきです。 また、この講義のたびごとに上記送信回路を組み立てるのも大変なので、 次回からはEL500のコンピュータを使うようにしましょう。 |
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フリップフロップはもうひとつのデジタル回路の基本。
現在の状態を「記憶」することができるこの回路は、間違いなく現代のエレクトロニクスの土台になっています。
とはいえ、テキストに出てくる説明はたいてい実感がわかず、
なかなか理解しにくいもの。
でも具体的なニーズがあって、どうしたらいいんだろう?
と考えた結果に見つけたものは、テキストよりもずっと理解できたりします。 今回もそんなパターン。 ボイスレコーダICを使ったキット をアマチュア無線用のボイスキーヤに拡張改造しようとしているとき、 「手動モード」と「自動モード」をモーメンタリスイッチで切り替える必要が出てきました。 EL500のマニュアルを参照し、見つけたのは 今回のニーズにばっちりのソリューションです。 プロジェクトの詳細詳細については AvioSys K01-A "Happiness" Voice Recording Kit のページを参照してください。 |
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EL500についてくるオーディオ パワーアンプICはROHM BA546。
SIP 9ピンの、小さなICです。
電源電圧6Vのときの最大出力は330mW。
ポータブル機器向けのかわいらしいアンプですね。
パワーアンプとしての推奨回路例は右図。
トータルゲインはフィードバック抵抗RNFで調整することができ、
そのゲインは
で決定できます。 EL500のマニュアル中では
プロジェクト122ではRNFに270Ωを使ってゲインを9倍にしており、 またプロジェクト123ではRNFを270Ωと89Ωに切り替え、ゲインを33倍まで上げています。 |
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マイキット復刻版や電子ブロックEX-150では、
オーディオ パワーアンプICは実験の際の手間を減らす目的が大きいでしょう。
またXN3000ではオーディオ出力トランスを廃止するために使われている、とも考えられます。
これに対しEL500のBA546では外付け部品がそれなりに必要ですので、実験・配線の手間はさほど低減されません。 配線を済ませて電源を入れてみると、当たり前ですが、 オペアンプ1段とは比較にならない大きな音量。 ところが、完成したオーディオ パワーアンプはどうにもひどい音質です。 いくら小型ポータブル機器用の安価なICとはいっても信じられないレベルです。 どこか間違っているのかな? しかし何度配線を確認しても問題は見つからず、 さらに、出力端子の波形をオシロスコープで観測してもクリッピングなどの目立った異常は見当たりません。 こりゃ妙だな。 ひょっとしてと思い、別のコンパクトブックシェルフスピーカを鳴らしてみると・・・ あれ、ごく自然ないい音です。 それでは別の音源でEL500のスピーカを鳴らしてみると、これはひどい音。 EL500のスピーカが異常なのです! |
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実験用キットとはいえこんなひどい音ではいやなので、
スピーカを交換してしまいましょう。
EL500の上側パネルのうち、スピーカの部分だけはどういうわけか別体になっていて、
4つのスクリューでサブパネルを簡単に取り外すことができます。
こんな感じで別の部分も作られていたら、改造が簡単にできるのにな。 この状態で鳴らしてみても音はやはりひどいものです。 使われているスピーカのフレーム外径はφ56mm。 2個の取付金具でマウントされており、 さらにフレーム外周はビビリ音が出ないよう酢酸ゴム系の接着剤でサブパネルに接着されています。 この取り付けは実際しっかりできていて、音の悪さは取り付けのガタに起因するものではありません。 |
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ラボを見回してみると、
100円ショップで売っていた100円トランジスタラジオに、同一外径のスピーカが使われていました。
この赤い、というか朱色の、ひどくキッチュな外観を持つ100円ポケットラジオはれっきとした6石スーパーヘテロダインで、
ポゴ
のおもちゃとして使っていました。
あまり気に入っていたふうでもないので、
部品取りにしてしまおう。
でも調子よく鳴っている新品ラジオから部品を剥ぎ取るというのは実に抵抗がありますが、
ここは心を鬼にして・・・。 スピーカ交換後はもちろん、EL500は通常期待される音質・音量になりました。 もともとEL500についていたスピーカを単体で鳴らしてみると、 あれ不思議、顕著な歪などなく普通に鳴っています。 |
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実はこのスピーカ、フレームに強度がなく、手でフレームをゆがめる方向に力を入れるとコーン
(もしくはボイスコイル部)の自然な動きが阻害され、聞くに堪えない音になってしまうことがわかりました。
EL500ではスピーカのバッフルへの取り付けは対角ではない2箇所で金具でクランプされますが、
この取り付けのときにスピーカフレームをゆがめる力がかかってしまっていたか、
あるいは取り付け前から乱暴な取り扱いによりフレームがゆがんでしまっていたのでしょう。
結局、新品100円ラジオに手を下す必要などなく、スピーカの取り付けをやり直すだけでよかったのです。 |
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いまだにスイッチング電源回路の動作原理を理解していないので、
ちょっと試してみることにしました。
EL500のマニュアル中では
まずはパルス波形の生成から。 パルス幅を可変できる回路で実験してみることにしました。 この目的ならタイマーIC NE555を使うのが簡単ですが、 原理を学ぶためにここではコンパレータによる無安定マルチバイブレータを作ってみます。 右図は、 トランジスタ技術 2003年09月号 <弛張発振回路の設計> に載っていた 「発振周波数の変動がなくデューティ比を可変できるフリー・ラン・マルチ」 回路を参考にしたもので、 EL500で作るためにLM324オペアンプをコンパレータとして使っています。 キャパシタを1μFと大きくし、パルスの様子を見えるようにしてみました。 おおむね20Hzで発振しており、デューティをおおよそ5%〜95%程度の範囲で可変できます。 なるほど、この回路ならデューティを変化させる仕組みが理解できます。 |
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発振周波数はほぼ一定のままデューティ比だけ可変できるこの回路の出力を、ダイオードを介して平滑キャパシタに充電し、
スイッチング式DC-DCダウンコンバータにしてみました。
本来はエネルギー ストレージ インダクタとフリーホイール ダイオードを追加して正式なDC-DCダウンコンバータとすべきですが。 R5は電源投入直後最初の充電でオペアンプの出力に無理がかからないように入れたもので、 実用にするためには取り去る必要があります。 |
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はんだこてを使ってユニバーサル基板に小さな回路を作れるようになった小学5年の頃、
トランジスタ1石と山水ドライバトランス1つで作った電子びっくり箱は本当にビリビリし、
誰が一番長く持っていられるか友達の間で競争したりしました。
マイキットや電子ブロック世代のテクノロジーではブロッキング発振と昇圧トランス、というのが定番で、
高圧パルス発生器であり、安定した直流電源ではありません。
そこで、EL500ではもうすこしマトモなDC-DCアップコンバータを作ってみます。
マニュアルでは
今回はパルス生成は上述のコンパレータ式無安定マルチ バイブレータを使い、 インダクタとして手持ちの470μHのインダクタを使ってみました。 C1を0.1μFに小さくし、発振周波数を上げてみます。 平滑キャパシタはEL500付属品では耐圧が不足しているので、 手持ちの470μF 50WV品を使います。 回路は右図のようになりました。 トランジスタがONしている間、電流のエネルギーがインダクタに蓄積されます。 トランジスタをOFFした瞬間にインダクタ両端に大きな誘導電圧が発生し、 これとバッテリの電圧が直列になる形で平滑キャパシタに充電されます。 本当なら整流用のダイオードD3は高速ショットキー・バリア・ダイオードを使いたいところですが、 ここではEL500のシリコンダイオードを使っています。 スイッチングトランジスタもパワーのあるものを使いたいのですが、 これもEL500付属の小信号トランジスタ。 元気よくスイッチしすぎると飛んでしまうかもしれませんので、 ベースに1kΩの抵抗を入れて軽く動作させています。 この回路定数では発振周波数は約250Hzで、 無負荷で50V近くの出力が取り出せました。 無理を承知でベース抵抗を100Ωにまで下げると、 発振周波数が高くなってしまうためもあり、 使っている平滑電解キャパシタの耐電圧を超えて70V以上も出てしまいました。 うわわっ、といいつつ電池を抜き、10kΩの抵抗でキャパシタをディスチャージします。 ここまで来ると、間違いなく感電の危険のあるプロジェクトです。 |
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トランシーバを作って2台のEL500で交信できたら楽しいでしょうね。
コイルや水晶発振子などの部品を追加すれば、QRPアマチュア無線トランシーバも作れそうです。
そのための最初の一歩として、簡単にできるAMラジオ帯の微弱トランスミッタからチャレンジしてみます。 これがうまくいったら、ブレッドボードの上に今度はAMラジオを追加し、 スイッチで送信動作と受信動作を切り替えれば、 性能はともあれ(通信距離は声が届く範囲でしょうけれど)、れっきとしたトランシーバといえます。 全体の構成 一番の基礎として、モールス信号により通信するトランスミッタを作ってみましょう。 受信機は手持ちのラジオが使えるように、変調形式はA2とします。 これは、モールス キーを押しているときも離しているときも電波は出たままで、 キーを下げている間だけキャリアを低周波で変調します。 受信側のラジオでは、信号は常時入感していて、キーダウン時にピー音が出ます。
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キャリア発振 キャリア発振にはまたまたフランクリン型発振回路を使うことにしました。 EL500ではなにしろ安定して動作します。 今回はEL500付属の74HC00 QUAD NANDゲートを使って構成します。 今回は普通なら発振回路の直後に入れるバッファアンプを置かず、 発振回路から直接アンテナ線を取り出します。 簡単に済む代わりに、発振周波数はアンテナ負荷により変動してしまいます。 発振コイルにはEL500内蔵のバーアンテナを使っていますが、 2次巻線からアンテナ線を取り出すことによりアンテナ負荷による発振周波数の変動を小さくしています。 キャリア発振の電源にもスイッチをいれれば当然A1送信機になります。 |
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トーン発振 低周波のトーンはこれまた
トーン波形の歪は、フィードバック部の抵抗値調整をほったらかしにしているため。 きちんと調整すれば正しい正弦波が得られると思います。 EL500の手前に並んだ8つのスイッチはプッシュ スイッチとスライド スイッチを兼ねていて、 プッシュ キーでモールス信号も遅れるし、ワンタッチで連続トーンもできてとても便利。 ただし、スイッチ接点のチャタリングがとてもひどいのが難点。 |
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AM変調 AM変調の方法は、
実際に作ってみると、トラペゾイドは案外にまともです。 |
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運用 できあがったA2トランスミッタは、微弱でほんの1〜2メートルしか飛ばないし、 信号の純度もよくないし、 ハム混入もあり、 またトーン音も心地よいというにはいまひとつ。 でも確かに電波で離れた受信機に信号を送れます。 A3化は無理 トラペゾイドを見るとこれならA3化して音声を飛ばせるかな、とも思いました。 トーン発振の代わりにCDオーディオの音声信号で変調してみると、 AM-1 と同じような症状。 つまり、受信機のダイヤルを最大感度にあわせると(キャリヤの周波数にぴったりにあわせると)復調される音量が小さくなり、 すこしダイヤルを上下にずらすと音が大きくなります。 またこの傾向は、安物のポケットラジオではあまり気にならず調子良いのですが、 性能の良いきちんとしたラジオでは顕著です。 これはAM変調と同時にFM変調もかかっている証拠。 オシロスコープのトラペゾイドでは、FMがかかってしまっていることはわからないのです。 音声信号に応じてロジック インバータICの電源電圧を変化させているわけですが、 ICへの電源電圧を変化させると発振周波数もそれに応じて変化してしまうわけです。 む。なかなか簡単にはいかないなあ。 |
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今度はアクティブ フィルタの実験をしてみます。
いつぞや自作SSBトランシーバでオンエア・・・の目標ははるかかなたですが、
ひとつひとつやっていけば着実に近づけるはず。
で、今回はその自作トランシーバに使えるかもしれない、オーディオ ローパス フィルタを作ってみます。 音楽を聴くためのアンプは、可聴周波数域をなるべくフラットなゲインで増幅するものが望まれますが、 無線機、特にSSBの場合は、3kHz以上の信号成分は送受信しないので、 3kHz以上の周波数を増幅しても意味がありません。 むしろ3kHz以上の成分があったとしたら歪やノイズなので、 高い周波数を減衰させるローパス フィルタがあるとよいでしょう。 右図はARRLアマチュア ラジオ ハンドブックに掲載されている、 少ない素子点数で構成できるサレン キー型ローパス フィルタ。 さらにゲインを1として帰還抵抗を省きました。 この定数ではQは高くなく、1kHz付近からダラダラ高域減衰されます。 ヒスノイズは確かに減衰できるけれど、 通信型受信機のオーディオフィルタとしては効きは不十分。 |
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| この回路はトランジスタ技術2004年10月号「設計便利帳」にも掲載されているフリーゲ型ローパス フィルタ。 これでも効きは不十分。 |
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| こちらはハイパス フィルタ。 ARRLアマチュア ラジオ ハンドブックに掲載されているものをベースに、 素子定数をいじってみました。 数100Hz以下の低域がカットされます。 |
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CW用のフィルタをもたないSSB受信機で7MHzバンドのCWを聞くと、
多くの局が混信してしまい非常に聞き取りにくくなります。
オーディオ出力に特定の周波数のみを通すフィルタを入れれば、ずいぶんと聞き取りやすくなります。
この方式では近接した強力な局のためにAGCが効いて感度が落ちるとか、混変調や抑圧からは逃れられないなど、
中間周波段で所定の選択度を得る本来の方法にはかないませんが、
それでも効果は十分にあります。 オペアンプで作ったアクティブCWフィルタ回路がARRLアマチュア・ラジオ・ハンドブックに掲載されており、 またQST誌 2006年06月号に、同一の回路を使ってMFJ社の7MHzポータブルトランシーバに組み込んだ例が紹介されています。 これを参考にして、EL500で実験してみることにしました。 記事で使われているオペアンプはEL500と同じLM324。 この回路は同一の定数をもつアクティブ バンドパス フィルタを2段直結にしたもので、 各段はパターワース特性を示します。 QST誌2006年06月号の記事は、MFJ-9040トランシーバに組み込むために、 センター周波数700Hz、Q=5、ゲイン=0dBを狙って素子定数計算が行われています。 しかしEL500には記事で紹介されている定数の素子がない (680pFを4個、3.3MΩを2本、など) ので、EL500に付属している素子で構成できるよう、記事の計算式を使って定数計算を行いました。 また電源の配線もEL500向けにアレンジしてあります。 結果は右図。 |
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| 回路図では非反転入力端子に電解キャパシタが入っていますが、これはなくても動作します。 EL500での配線は右図のごとく。 抵抗やキャパシタのリード線は短く切ってしまったほうがコンパクトに配線できます。 配線し終わった後にはたいてい、もうすこしきれいにできないかなあ・・・と悩みます。 |
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できあがったフィルタをテストします。
WaveGeneを使って正弦波を発生させ、その周波数をスイープさせ、オシロスコープで出力を観測してみました。
右図をクリックするとこの様子がムービーで見られます。
管面上段が入力、下段がフィルタの出力です。
フィルタの共振周波数で出力が大きく、低かったり高かったりすると出力が下がっているのがわかります。
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WaveSpectraで観測した周波数特性はこちら。
ピーク周波数が800Hz(よりちょっとだけ上)にあることがわかります。
50Hzに見えるピークは商用電源のハム、16kHzあたりのはPCオーディオのサンプルによるもの。 このフィルタは2段構成にしてありますが、 CWオーディオフィルタとしてのシャープさはまだ甘いといえます。 もっともオーディオフィルタは前述したような欠点がありますから、 この辺で収めておくのがよいかもしれません。 CW用の狭帯域フィルタを持たない(オプションのパスバンドチューニングユニットも装着されていない)ICOM IC-551にHFトランスバータを組み合わせて7MHzのCWを聞いてみましたが、 ノイズに埋もれそうな信号の了解度は大幅アップ、 効果大! でした。 |
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今日のわれわれの暮らしを快適で便利にしてくれている基本技術のひとつは多重通信であると思います。
一本の通信線や単一チャネル周波数の電波にさまざまな信号を同時に乗せて転送できる多重通信の基礎を、
簡単な実験を通して試みてみましょう。 送信機の回路を右に示します。 この送信機は
右上が信号Aの発生回路で、タイマーIC NE555を使って周波数約1Hz デューティ比50の方形波を生成しています。 信号Aがハイレベルのとき、LED2が点灯します。 左上の部分が信号B用のキャリア発生回路で、約1kHzのキャリアを発振させます。 ここは
左下の部分が信号B生成回路で、ロジック インバータを用いた無安定バイブレータになっています。 ここは
キャリアの断続として表された信号Bは、エミッタ フォロワのバッファQ2を介して信号A発生回路の出力と混合されます。 受信側は、信号Aを取り出す回路と信号Bを取り出す回路の2つを作ります。 いずれも信号を受信するとLEDが点灯するようにします。 信号Aはベースバンド伝送なので、簡単なローパス フィルタを作ればOK。 オペアンプはコンパレータ兼LEDドライバとして使用します。 信号Bは、ハイパスフィルタを作って直流分を取り除いた後、信号の振幅を検出して(検波して)LEDを点灯します。 右に示す信号B復調回路は、最初のオペアンプがアクティブ ハイパスフィルタとして動作し、 2つめのオペアンプがコンパレータとして動作します。 実際の配線は、プレッドボードの左側が送信機、 右側が受信機となるようにしました。 表示LEDも左の2個が送信表示、 右の2個が受信表示です。 送信機回路と受信機回路は、グラウンドおよび電源をのぞくとたった1本のワイヤで結ばれています。 受信LEDの点滅は送信LEDとまったく変わらずに点滅しています。 たった1本のワイヤに、2つの異なる信号を載せて伝送することができました! |
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EL500のマニュアルに掲載されているラジオ回路には大したものがないのは冒頭に書きました。
こういった簡易回路は鉄筋+ノイズだらけの第1研究所では使い物にならないので、
木造の第2研究所にEL500を持ち込み、まずはゲルマラジオを・・・と思いちょいちょいと配線してみました。
ところがどうやってもイヤホンからは全く何も聞こえてきません。
完敗です。 第1研究所に戻り調べてみると、 イヤホン自体の故障 でした。 EL500に付属のイヤホンは高感度なセラミックタイプなので、 イヤホンを耳にあてて2本のリード線をこすり合わせればカリカリ音がするはずなのに、 全く無反応。 リード線の内部断線かと思いましたが、イヤホン本体背面のハンダ付け部までの導通は正常。 すると、本当の故障のようです。 イヤホン駆動型の簡易回路はあきらめましょう。 実用となるラジオを最終的な目標にするなら、スペックは概ね以下の通りでしょう。
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簡単なところでダイオード検波+パワーアンプICの組み合わせはマニュアルにあってもよさそうですが、
なぜか掲載されていません。
ので、まずスピーカ駆動はEL500付属のパワーアンプIC、BA546を使うことにします。
ただしダイオード検波+低周波増幅だけでは限界があるので、
高周波増幅も入れましょう。
ここで、
学研マイキット150
の回路、
この回路はトランジスタ検波式です。 同調回路からの高周波信号は初段トランジスタのベースに加えられますが、 トランジスタのベース-エミッタ間はダイオードになっているので、ここで入力信号の半波だけが取り出され、 かつ増幅されます。 このためAM復調のためのダイオードが不要になっています。 1920年代の古いTRF式受信機はオーディオンと呼ばれる真空管を使ってこの動作(検波と増幅を同時に行う)をさせていました。 そのためその方式はオーディオン回路と呼ばれることがあります。 この回路ではベースのバイアスの掛け具合が微妙なところ。 EL500に付属の2SC1740はシリコントランジスタで、 電圧障壁の関係から感度的には古典的なゲルマニウムトランジスタに比べるとやや不利です。 マイキット150の回路ではトランジスタ検波された信号を次段のトランジスタで低周波増幅してセラミックイヤホンを駆動しています。 今回はこれにオーディオパワーアンプIC BA546を加え、スピーカ駆動とします。 |
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動作させてみると、クエンチングを伴った激しいモーターポーティングに見舞われてしまいました。
感度・音質をなんとか維持しつつ異常発振を止めるために数時間格闘してたどり着いたのが右図の回路。 音量は実用的、音質はわずかな濁りあり、ただし第1研究所の屋外ではバーアンテナだけでの受信は無理で、 アンテナ端子につないだビニール線を地面に這わした状態がベスト。 もちろんAGCはないので、ボリュームを頻繁に調整する必要があります。 異常発振も皆無ではなく、ボリュームを上げていくと動作が不安定になってしまいます。 またTBSの受信は無理でした。 しかし冷静に見てみると、上記の回路では検波をしているのが初段なのか次段なのか怪しいところですね。 このラジオのテストを屋外で行っていたら、 折からの強風にあおられてEL500本体が約60cmの高さからアスファルトの地面に落ちてしまいました!! ヒンジが180度開いてパーツ面を下にして見事に路面にたたきつけられたEL500は、 しかしわずかなかすり傷と金具がすこし曲がってしまったのみで問題なし! 飛び散った電池を入れなおしただけでラジオもそのまま鳴りはじめました。 さすがABS樹脂の筐体です!! |
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EL500にはFETは付属していませんが、
トレーニングカリキュラムとしてはやはり不可欠でしょう。
そこで、上に書いた「付属部品だけでできる」条件には違反してしまいますが、
小信号FETをひとつ追加してラジオを作ってみます。 FETを付属部品に加えるならXN3000のようにデュアルゲートMOS FETを選ぶのが現代流でかつ応用範囲も広いでしょうが、 ここではレトロに2SK30Aを使います。 選定理由は、たまたまラボに在庫があるから・・・ですが。 2SK30Aは高周波用の石ではありませんが、単なる実験としてであれば許されるでしょう。 回路はごく普通に、FETで高周波増幅、ゲルマニウムダイオードでAM復調、 トランジスタで低周波増幅した後にICアンプで低周波出力。 2SK30AはNチャネル接合型FETなので、ソースに対してゲート電圧を負にする必要があります。 ソースに270Ω、ドレインに1kΩの抵抗を入れて、 ソースの電位が0.7V程度になるようにしました。 0.7÷270で、ソース電流(≒ドレイン電流)は約2.5mA流れています。 一方ゲートは1MΩの高抵抗でグラウンドに落としているので、グラウンドに対する直流電位は0V。 したがってゲートはソースよりも0.7Vほど低くなることになり、バイアス電圧が実現できています。 ソース抵抗はキャパシタでパイパスして交流的なゲインを高くしています。 ソース抵抗をもう少し大きくするとゲインが上がりますが、 270Ωではボリュームをフルにしたときに発振ぎみになってしまいます。 電源ラインに470μFを追加してとりあえずしのいでみました。 どの程度まで発振せずゲインを上げられるか、は、全体的な配線の取り回しに影響されてしまいます。 |
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回路動作説明入りは
こちら。
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結果はなかなかのもので、
ラボの窓から付属のアンテナ用ビニール線を垂らしておけばNHK東京第一が受信できます。
もうすこしアンテナを工夫すれば、AM放送受信は相当にキツいラボでも実用になるかもしれません。 気をよくして、夜になるのを待ち同調コイルとしてバーアンテナコイルの巻線数の少ないほうを使い、 ベランダのHF用広帯域ホイップアンテナをつないでみたら、ダイヤル一面に北京放送の日本語番組が強烈に飛び込んできました。 AGCがないのでフェーディングの谷ではかろうじて聞こえるだけ、逆にフェーディングの山では近所迷惑になりそうな音量。 北京放送の信号はNHKよりもはるかに強力であることを実感しました。 |
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EL500は上側パネル中央部にLCDディスプレイ、
下側パネル右下にキーボードを持っています。
この"マイクロコンピュータ"は、
カタログを見たときはTK-80のような古典的なワンボードマイコントレーニングセットだと思い込んでいたのですが、
いやいや、ずいぶん違います。 古典的なワンボード マイコン トレーニング セット、たとえばTK-80 (私はEX-80ユーザでしたが) でプログラムを入力するには、 キーボードでメモリアドレスを指定しマシン語を1バイトずつ入力していきます。 ROMに書かれたモニタ プログラムが、こういったプログラム入力やプログラムの実行・停止を管理しています。 これに対しEL500のコンピュータは、 内蔵モニタ プログラムが 「仮想的なマイコンをエミュレートしている」 のです。 キーボードからのプログラム入力は、仮想アセンブリ言語で行います。 データ転送はMOV命令、分岐はJMP/JC/JNC/JZ/JNZ・・・といった具合で、 ふむふむ、といった感じ。 算術論理演算の結果はゼロフラグとキャリーフラグに反映されます。 データを読み書きできるのは、AからFまでの8ビットレジスタ6本だけ。 このコンピュータには、いわゆる普通のメモリというものは存在していません。 命令長はどの命令も同じで、1ステップを使用し、 プログラムメモリは全64ステップの容量があります。 分岐命令は分岐先ステップ番号を指定する絶対アドレシングのみ。 ただし「縦積み命令」という特殊な命令があり、 これで「配列の要素にアクセスする」動作を簡単に実現しています。 サブルーチンコール機能はありませんが、 指定時間だけ待つタイマーウェイト命令や、 簡単に音を出せるブザー制御命令があり、実験を容易にしています。 右に示したLCDパネルの写真は、プログラム入力モードの表示例。 プログラムステップ0BHに"AND B, #01H" を入力したところ。 このLCDパネルはプログラム入力のほか、 ステップ実行時にメモリA (アキュムレータ)と他1つのメモリの内容を読むことができ、 デバッグの助けとなります。 コンピュータの出力は出力ポートだけで、 プログラムによってこのLCDの表示を制御することはできません。 アーキテクチャの制約とプログラムメモリ容量/データメモリ容量の小ささから高度なプログラミングは不可能ですが、 それは致し方ないこととしましょう。 アセンブリ言語を逐次実行していくこのコンピュータは、 「マイコンもどき」と呼ばれてしまうことは避けられないでしょうが、 実際 わかりやすいし使いやすく、 まったくマイコンプログラミングをしたことがない受講生も大きな支障なく使い始められました。 EL500で雰囲気をつかんだら、 本物のマイコンを積んだシングルボードに進級するなり、 高級言語が使えるワンチップCPUに進むなりすればよいのです。 ひとつ要望させてもらえるとすれば、 メインスイッチをOFFにしてもプログラムが保持されるバッテリーバックアップ機能が欲しいところ。 |
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アセンブリ言語風のインストラクションでキーボードからプログラミングでき、
I/Oポートを制御できるEL500の「コンピュータ」は、ブレッドボードに組んだ回路の応用範囲を格段に広げてくれます。 私はいちおう32ビットRISCプロセッサを積んだ組み込みシステムでマシン語レベルのデバッグをしていたので、 EL500のコンピュータはいまさら学ぶ必要はありません。 しかし簡単にプロセッサの動作を体験できるという点で、EL500のコンピュータはトレーニング教材としては貴重なものだといえます。 マイクロプロセッサ プログラミングの経験が皆無な若手エンジニアのトレーニングとして、 I/Oポートを学んでもらうべく、EL500マニュアル 「ソフトウェア編 基礎・応用」の
ところが課題に取り組んだどの受講生も、マニュアルの通りに動かない、と言ってきました。 そんなはずは・・・とマニュアルのプログラムを読んでみると、 なるほど、こりゃバグだ。 プログラムは、ステップ00からステップ08までが点灯LEDを左方向にシフトしていくもので、 ステップ09からステップ11までが点灯LEDを右方向にシフトしていくものです。 本プログラムのバグは、ステップ11にあります。 「右方向にひとつシフトしたが、まだ点灯LEDは一番右には到達していない」 とき、さらに右方向シフト処理を繰り返すためのジャンプ処理ですが、 この飛び先が 「右方向シフト処理ループを開始するための初期化」の途中であるステップ0Aになってしまっています。 このため、いったん右方向シフト処理に入ると、いつまでたっても一番左から動けずにいるのです。 |
PROJECT 410: ORIGINAL
00 MOV B, #08H 01 MOV A, #01H 02 OUT A 03 TM2 #01H 04 CLC 05 ROL A 06 CMP B,A 07 JZ L08H 08 JNZ L02H 09 MOV B, #01H 0A MOV A, #08H 0B OUT A 0C TM2 #01H 0D CLC 0E ROR A 0F CMP A,B 10 JZ L00H 11 JNZ L0AH |
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修正は簡単で、ステップ11を
11 JNZ L0BHにするだけです。 さらに言うと、ステップ11ではジャンプ・ノン・ゼロ命令を使う意味はなく、 無条件ジャンプで済みます。 よって 11 JMP L0BHが最も適切、といえます。 狙い通りに動き出したプログラムをもう一度読んで自分で理解していくにつれ、 受講生から 「何でステップ07の飛び先がステップ09ではないのか?」 との質問が出てきました。 たしかにその通りで、ステップ07は 07 JZ L09Hであるべきです。 マニュアルに書かれているオリジナルプログラムの場合はひとつ手前のステップに飛んでいますが、 ここの命令がジャンプ・ノン・ゼロ命令であるため、 いちおう思惑通りの動作はします。 しかし正しくは 07 JZ L09H 08 JMP L02Hとすべきですね。 バグを修正したプログラムを右に示します。 |
PROJECT 410: BUG FIXED
00 MOV B, #08H 01 MOV A, #01H 02 OUT A 03 TM2 #01H 04 CLC 05 ROL A 06 CMP B,A 07 JZ L09H 08 JNZ L02H 09 MOV B, #01H 0A MOV A, #08H 0B OUT A 0C TM2 #01H 0D CLC 0E ROR A 0F CMP A,B 10 JZ L00H 11 JMP L0BH |
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ここまでくれば、
07 JNZ L02H 08 NOPでもいいんじゃないか、と考えがつきます。 空いた1ステップを詰めて、さらに均整の取れた思考とするために一番最後の条件判断も 0F JNZ L0BH 10 JMP L00Hとします。 1つ余計な条件分岐命令を削除できました。 マニュアルを読めば、 EL500コンピュータのCMP命令はイミディエートデータをオペランドにとることができることに気がついて、 比較用のBレジスタを使う意味はないことに気がつけるでしょう。 Bレジ代入のMOV命令を2ステップ削除でき、メモリ消費も1バイト減りました。 さらに、前半部から後半部に切り替わるときにはAレジスタはすでに08Hになっているので、 わざわざMOVで08Hを代入しなおす必要はなし。 さらに1ステップ簡略化でき、後半部の初期化は全く不要になりました。 最後に、ウェイト命令のパラメータをいじって速度を調整し、 できあがったのが右に示す改良版プログラム。 合計で4ステップ小さくなりました。 EL500の8つのLEDをすべて使って試すなら、 ステップ05のイミディエートオペランドを#80Hに変更すればOK。 オリジナルプログラムでは2箇所の変更が必要でしたので、保守性も向上しています。 この先さらなる改善は、前半と後半で繰り返されている共通命令・・・OUT命令とタイマーウェイト命令、 それにキャリーフラグクリア命令・・・を共通化することですが、可能であったとして可読性を損なうでしょうから、 ここで打ち止めとします。 あら探しをしているわけではありませんが、 EL500マニュアル 「ソフトウェア編 基礎・応用」の19ページ、 CMP命令の"フォーマット3: CMP mem, #n8"に出てくる使用例1・使用例2はいずれも間違っていると思うのですが。 しかし今回もっとも驚いたのは、 最近の若い世代はナイトライダーを知らない!!!! ということでしたが・・・こりゃ無理もないかな。 |
PROJECT 410: BUG FIXED & OPTIMIZED
00 MOV A, #01H 01 OUT A 02 TM1 #06H 03 CLC 04 ROL A 05 CMP A, #08H 06 JNZ L01H 07 OUT A 08 TM1 #06H 09 CLC 0A ROR A 0B CMP A, #01H 0C JNZ L07H 0D JMP L00H |
前述のロジック・トレーニング教材のための講師用ビットパターン生成回路を、EL500のマイコンで実現しましょう。
仕様は以下の通り。
図では2人ぶんの出力だけ描いてあります。 講師の自分自身用と受講生4名用とするためにはあと3系統のバッファを追加する必要があります。 バッファにはインバータを使っていますので、EL500のコンピュータの出力ポートの出力は負論理とします。 回路図では書いていませんが、出力ポートはプルダウンしておく必要があります。 RUN-STOPスイッチは、スイッチを上にしたときまたはプッシュしたときにラン、とします。 スイッチをONにすると入力ポートは論理0になるので、 論理0でラン、論理1でストップとします。 FAST-SLOWスイッチは、スイッチを上にしたときまたはプッシュしたときにFAST、とします。 スイッチをONにすると入力ポートは論理0になるので、 論理0でFAST、論理1でSLOWとします。 |
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完成したプログラムは右。
現在出力しているビットパターンはメモリCに正論理で保持しており、
ポートに出力するときにXOR命令でビット反転させています。
現在出力しているビットパターンを負論理で保持するようにすればコードもメモリも減らせますが、
判りやすさの面からあえてこうしています。 ラン/ストップの制御プロックはFAST/SLOW制御ブロックの次に入っていますが、 この順番は使い勝手の上で意外と重要です。 この順番が逆だと、スピードをSLOWにしておいてRUN-STOPスイッチのチョイ押しでひとつだけパターンを進めようとしたとき、 スイッチを押してもLEDの状態が変化するまでにひと呼吸入ってしまい、違和感が大。 要するにウェイト中にチョイ押しされたRUNボタンは無視されてしまうのです。 こういった細かいユーザビリティは最初に掲げた程度の荒い要求仕様書では出てきません。
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LOGIC DECORDER TRAINING SET
PATTERN GENERATOR : ==== INITIALIZATION ==== 00 MOV C, #00H : : ==== OUTPUT PATTERN ==== 01 MOV A, C 02 XOR A, #FFH 03 OUT A : : ==== FAST / SLOW CONTROL ==== 04 IN B 05 AND B, #02H 06 CMP B, #02H 07 JC L09H 08 TM1 #29H 09 TM1 #01H : : ==== RUN / STOP CONTROL ==== 0A IN B 0B AND B, #01H 0C CMP B, #01H 0D JNC L0AH : : ==== INCREMENT AND LOOP ==== 0E CMP C, #0FH 0F JZ L00H 10 INC C 11 JMP L01H |
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ひょっとしてEL500の商品開発企画の方がこのページを読んでいらっしゃるとしたら・・・
いくつか改善要望を挙げておいて損はないでしょう。
未来のエンジニアのために、よりよいキットを提案し続けてもらいたいと思いますから。 電源スイッチを装備してください
必要があります。 アナログメータがひとつあれば、配線の手間が減るばかりではなく、 理解しやすさもずいぶん違ってくるはず。 本機を使って実際に入門トレーニングを行う場合は、 安価なポケットテスタを併用する必要があります。
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