小学校4年生のとき
学研マイキットで1石アンプを組み立て、
手元のラジオのAUX OUTから信号を取り出してアンプに入れ出力をマグネチック イヤホンで聴いてみると、確かにきちんと増幅しています。
ではそのラジオのイヤホン端子に差し込んだ別のイヤホンを別の耳につけてみたら・・・・なんと音が頭の中から聞こえるじゃありませんか!!
まるでアナウンサーが自分の頭の中にいるようです。それまでヘッドホンなんて使ったことがなかったので、これは本当に、本当に衝撃的なことでした。
まだ音楽を好んで聴くような年齢ではありませんでしたが、夜遅くに短波放送を聞くのにはやはりヘッドフォンが欲しくなります。
でも貧乏ラジオ小僧にはオーディオ用のヘッドフォンなど高くて手が出ません。
お小遣いをためてようやく買えたヘッドフォンは、
ホシデン ルンルン
。
低価格モデル故に今思えば音は粗末なもので、さらに装着感もひどく、1時間もすると耳が真っ赤になり、痛くて掛けていられません。
でも5分ほど外して休んでは、また掛けなおして深夜の短波探検に戻ったものです。
高校生になって憧れのステレオラジオカセットを手にすると、大音量で音楽を聴くためにステレオ ヘッドフォンを買いました。
当時は街のデパートの家電売り場にはオーディオ機器がずらりと並び、ヘッドフォンも30機種くらいが展示され、どれも試聴できるようになっていました。
たぶん2時間ちかくも聴き比べ、財布ともじっくり相談して選んだのが
パイオニアSE-5
。
装着感はちょっときつめでしたが、スムースで豊かな音が気に入り、以来10年以上も愛用しました。
タッチの素晴らしいSE-550Dのイヤーパッドも長年の使用で痛みがひどくなり、さすがに買い換えることにしました。
2001年、もはやオーディオは完全に使い捨ての消耗製品ばかりで、売り場には昔のような夢はありません。
家電量販店のヘッドフォン コーナーには2つ3つのメーカー製品しかなく、価格は確かに安くなっているけれど試聴できる様子でもありません。
ま、なんだかんだいって今の製品はそれなりの音するだろう、と考え、価格違いで3種類あった某社のいちばん高いモデルを買って帰りました。
ところがこれを使ってみて、とたんに気が滅入ってしまいました。確かに低音はよく出ます。高音もよく出ます。中音ももちろん出ています。
スペックの再生周波数帯域はウソではなさそうです。
しかし・・・それらバラバラなのです。音量を上げるとただうるさくなるだけ。
調整機構もなく、だらしのない装着感、首を動かすと聞こえてしまう可動部のギシギシ音。太く、曲がり癖のとれにくいケーブル。
ああ、これは失敗した!! でもたぶんこれは初期不良では絶対なく、こういうものなのでしょう。
しばらく使っていれば慣れてくるよ、だいたいオーディオなんてものは好みと相性とプラセーポ効果の塊だ、
自分も含めてほとんどみんなが激しい思い込みに落ち込んでいるか、さもなければ何かにだまされているだけに過ぎない・・・・
そう自分に言い聞かせつつも、後悔の念はますます強くなってきてしまいます。
それが仮にプラセーボ効果にすぎないとしても、自分がハッピーになりさえすればいいんじゃないの?
自分はオーディオ評論家じゃないし、なにより自分で楽しむために音楽を聴くのだから。
やはりパイオニアを買おうと思い、
同社のウェブサイト
に行きました。おお、良さそうなモデルがある。
高くてもいいから取り寄せてもらうことにしよう。
サイトに立ち寄ったついでに、今回の悔しさをだれかにぶつけたくて、サイトのフィードバック・メールに書き込みました。
他社品を選んでしまい後悔しています、と。
ついでに、ダメモトでイヤーパッドは補修が効くか尋ねてみました。
すると、10年以上も経っている製品なのに東北パイオニア社からレスがあり、部品センターに在庫があるとのこと。
すぐさま発注しました。
交換用イヤーパッド、WXX1178の価格は一つ1400円、左右セットの部品代プラス送料の値段は先日買った新品のヘッドフォンとあまり変わりません。
経済性を考えればひどく無駄なようですが、2つのヘッドフォンを聞き比べるとその差は明らかで、
幻滅と失望に後悔するのに比べればはるかに正しいお金の使い方です。
あらためてSE-550Dを使いつづけられる幸せにしばらく浸りました。
東北パイオニアに感謝!!